マンモグラフィで挟めない?理由と対策を徹底解説

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2024.08.23

「胸が小さくて、挟めるか不安」 「マンモグラフィの痛みを我慢することが辛い」と悩んでいませんか? 胸を挟めずに、検査がうまくできなかった経験をした人もいるでしょう。 乳がん検診のひとつであるマンモグラフィは、胸を挟んで検査をします。 乳がん検診は定期的に受けることが大切ですが、うまく検査できないと、継続して受けることが嫌になってしまいますよね。 この記事では、マンモグラフィで胸を挟みにくい原因や、痛みへの対策について解説します。 また、胸を挟まずに乳がんを早期発見できる「無痛MRI乳がん検診」についても詳しく解説していますので、ぜひお読みください。

マンモグラフィー

1.乳がん検診のマンモグラフィとは?

マンモグラフィは乳がん検診のひとつです。自治体の健診や人間ドック、職場の健診などで検査を希望することで受けられます。 ただし、マンモグラフィを受けられる年齢が決められている場合があるため、自分が受ける健診の要項を確認しましょう。 女性の9人に1人は乳がんと診断されています。身近ながんなのです。女性は積極的に乳がん検診を受けていきましょう。

1-1.乳がんを発見する検査

マンモグラフィは、乳がんを発見するための専用のレントゲン検査です。 マンモグラフィ検査では、女性の乳房をプラスチックの板で圧迫してレントゲン画像を撮影します。胸を圧迫するため、痛みや不快感を感じる人もいます。 撮影したレントゲン画像をもとに、がんの兆候やしこりの有無を検査医が確認します。 一般的には、40歳以上の女性に対して定期的なマンモグラフィの受診が推奨されています。ただし、妊婦さんや豊胸手術後の人などは、検査を受けられません。 検査を受ける間隔は2年に1度がよいとされています。

1-2.マンモグラフィの受け方

マンモグラフィの基本的な検査の受け方は、どこの検査機関も同じです。 まず、受付をすませ検査室に入ったら、検査技師が説明を行い、検査に使用する専用機器を紹介します。服を上半身だけ脱ぎ、胸を検査機器のパッドにあてます。 その後、検査の板が胸を少し押しつけ、レントゲン画像を撮影します。きちんと板で胸を挟めないと撮影ができないため、検査技師が乳房の位置を決めます。 レントゲン撮影は、左右それぞれ行います。検査時間は数分です。撮影後、検査技師が画像を確認して、着替えをすませたら検査終了です。 検査の結果は、専門の医師が確認して、後日知らされます。

1-3.マンモグラフィで「石灰化」を見つけられる

マンモグラフィでは「石灰化」を発見できます。 石灰化とは、カルシウムの沈着が乳腺内にある状態です。石灰化には良性のものと、悪性のものがあります。 良性のものは乳腺炎や線維腺腫などが原因で発生します。しかし、乳がんの初期段階で細胞が増殖する過程でも発生します。そのため、乳房内に石灰化が発見されたら、精密検査の受診をすすめられます。 超音波エコーでは、石灰化は見えにくいため石灰化を発見することは難しいです。しかし、マンモグラフィやMRIであれば、乳房の内の小さな石灰化も発見できます。

2.マンモグラフィで胸を挟めないことがある?

マンモグラフィで胸を挟むのが難しい場合があります。 マンモグラフィは乳房を圧迫して画像を撮影することで、乳がんや異常を発見するための検査です。 しかし、胸の形や圧迫時の痛みなどのいくつかの理由で胸をうまく挟めないことがあります。適切に乳房を挟むことができないと、画像が不鮮明となり、検査の精度が落ちます。 マンモグラフィで乳房を挟めなかった経験がある人は、医師や検査技師に相談しましょう。

2-1.「漏斗胸」は挟みにくい

「漏斗胸」の人は、マンモグラフィで乳房を挟むことが難しいことが少なくありません。 「漏斗胸」は、胸部の前面が内側に凹んでしまう先天性の病気で、胸骨が異常に発達して凹んでいる状態です。そのため、マンモグラフィでは乳房をきちんと挟みにくくなることがあります。 マンモグラフィは乳房を板で挟んで圧迫し、正確な画像を得ることが重要ですが、漏斗胸の人は胸の形状が変わっているため、圧迫が難しくなります。その結果、検査に必要な画像が撮影できず、検査の精度が低下してしまいます。 漏斗胸の方がマンモグラフィを受ける際は、医療スタッフに相談してください。

2-2.マンモグラフィを受けられない人

基本的に誰でも胸を挟むことができるため、マンモグラフィを受けられます。 ただし、以下の方はマンモグラフィを受けられません。

  • 妊娠中の人
  • 授乳中の人
  • 豊胸手術を受けた人
  • 胸部に医療機器が装着されている人(ペースメーカーやCVポートなど)

妊娠中は、乳房が非常に敏感であり、圧迫時の痛みに耐えられないことが少なくありません。また、放射線の影響を避けるために、マンモグラフィの検査が推奨されない場合もあります。授乳中も同様です。 豊胸手術後に乳房にインプラントがある場合や過去に乳房手術を受けている場合も、マンモグラフィを受けられないことがあります。 マンモグラフィを受けられない、または受けることが推奨されない場合には、医師にしてください。

2-3.男性でも挟められる

男性でも乳がんになることがあるため、マンモグラフィを受ける場合があります。乳腺の腫瘍や男性乳腺症などが疑われるときです。 男性の場合も同様に、乳房を前に引っ張り、引き出して板で挟んで検査します。 男性は乳腺の発達が少ないため、痛みを感じることは少ないといわれています。しかし、乳房を引っ張るときに、皮膚が伸びにくい人は、引っ張る痛みを感じるようです。

3.胸が小さいとマンモグラフィは痛い?

胸を前に引き出し、挟むため胸が小さい人は痛いのでは?と心配する人は多いでしょう。 胸の大きさと、マンモグラフィ検査時の痛みには関係ありません。 痛みの原因になるのは、乳腺の密度や痛みへの感じ方などです。しかし、マンモグラフィで痛みや不快感を感じる人は少なくありません。 痛みに耐えられない場合や検査に対して不安がある場合は、医師や検査技師に相談して、他の検査方法や対策を検討できます。

3-1.痛みには個人差がある

マンモグラフィ検査は乳がんの早期発見に重要ですが、検査中の痛みには個人差があります。痛みの感じ方は、乳腺の密度や個人の痛みへの感受性、検査を受ける時の緊張度などによって変わります。また、「前回の検査時には痛くなかったけど、今回の検査時は痛い」と感じる人もいるようです。 また、乳房を圧迫することでの痛みは感じないが不快感をもつという人もいます。マンモグラフィ時の不快感は、乳房を引っ張る、検査技師に乳房を見られることなどによるものです。 マンモグラフィの痛みには個人差があります。さまざまな要因によって感じ方は異なります。一部の人は痛みをほとんど感じない一方で、他の人は不快感や痛みを強く感じることもあります。

3-2.胸の大きは関係ない

「胸が小さいとマンモグラフィが痛い」と言われることがありますが、基本的には胸の大きさは関係ありません。 胸の大きさだけでなく、それぞれの体質や痛みに対する感受性が影響します。胸の大きさに関係なく、乳房を引っ張り、板で挟み薄くして撮影します。 そのため、胸が大きい場合でも、乳腺の密度や皮膚の伸び方によって、感じる痛みは異なります。 また、検査技師の介助の方法によっても痛みの感じやすさが異なるようです。 乳房をしっかり引っぱり出せ挟めても、痛みが強いと定期的にマンモグラフィを受けることをためらう人もいるでしょう。マンモグラフィの痛みに悩んでいる人は、他の検査を検討してみましょう。

3-3.乳腺が発達していると痛い

マンモグラフィでは、乳房を平らに押しつけるため、とくに乳腺が発達している場合には痛みを感じやすいです。乳腺が発達することで、乳房が敏感になるからです。 20〜30歳代前後の女性は、乳腺が発達している時期です。また、生理前後の日も、女性ホルモンの分泌が高まっているため乳腺が発達します。妊娠中や授乳中も同様です。 マンモグラフィの受診を勧められているのは40歳以上の女性ですが、20〜30歳代前後の女性も乳がんのリスクはあります。 以下のような人は、乳がんリスクが高いです。

  • 初潮が早い人
  • 閉経年齢が遅い人
  • 出産歴がない人
  • 飲酒する人
  • 喫煙歴がある人
  • 肥満の人 など

乳腺が発達しておりマンモグラフィが痛いという人でも、上記に当てはまる人は乳がん検診を積極的に受けることをとくにおすすめします。

4.マンモグラフィ痛みの柔らげ方

マンモグラフィをはじめとする乳がん検査は定期的に受けることがすすめられます。 しかし、痛いと何度も受けるのは辛いですよね。 マンモグラフィの痛みをすべて取り除くことは難しいですが、柔らげることはできます。 ここでは、マンモグラフィの痛みの柔らげ方について紹介します。 痛みは個人差があるものですが、試してみてください。

4-1.リラックスして受けるべき

検査中にリラックスすることで、筋肉の緊張が和らぎ、痛みが軽減されることがあります。検査前に、深呼吸をしてリラックスすると良いでしょう。 緊張すると痛みが強くなるのは、体の反応によるものです。緊張すると、ストレスホルモンが分泌され、筋肉が硬くなります。そのため、体が痛みに過敏になり、普段感じない小さな痛みも強く感じやすくなるのです。また、不安が強いと、痛みに対する意識が高まり、より痛みを感じやすいです。 検査前に乳房を軽くマッサージすることで、血行が良くなり、圧迫に対する敏感さを抑えられることもあります。 前回の検査時の痛みを思い出さないようにして、できる限りリラックスして検査を受けましょう。

4-2.生理日前後を避ける

生理前後はマンモグラフィ検査を避けることも、痛みに悩まない方法のひとつです。 生理日前後は、女性の体がホルモンの変化によって乳房の感覚が敏感になっています。 女性ホルモンの影響で乳腺が腫れたり、圧痛を感じたりすることが多く、マンモグラフィによる圧迫が痛みを引き起こす可能性があります。 また、乳腺が発達しているため、マンモグラフィ画像が不明瞭になります。そのため、せっかく検査を受けても検査結果が正確に評価されにくいです。 生理前の時期や生理中は乳房が敏感になりやすいため、検査日は生理の後の時期や生理の終わりに検査を予約するとよいでしょう。生理周期を避けても検査中に痛みや不快感が強い場合は、検査技師にそのことを伝えることで、圧迫の強さを調整してもらえることもあります。

4-3.他の乳がん検診を受ける

乳がん検診といえば、一般的にはマンモグラフィが知られていますが、マンモグラフィだけではありません。 乳がんは早期発見が重要ながんです。進行が早いタイプもあるため、定期的に乳がん検査を受けることが大切です。 そのため、マンモグラフィでは胸を挟めない、痛いという理由で乳がん検診をあきらめるのはやめましょう。 乳がん検診にはマンモグラフィ以外にも、超音波エコーやMRI検査があります。それぞれの検査については以下で説明しているので、参考にしてください。

5.痛み以外でマンモグラフィを避けたい理由は?

マンモグラフィは痛みや不快感を伴う可能性がある検査です。そのため、できる限りマンモグラフィを受けたくない人もいるでしょう。 また、痛み以外でもマンモグラフィを避けたい理由もあります。 乳がんを発見するために勧められる検査ですが、よい面だけではありません。マンモグラフィの注意すべき点も知った上で、受けるようにしましょう。

5-1.乳腺密度が高いとがんを発見しずらい

マンモグラフィは乳がんの検査として多くの人が検査していますが、乳腺の密度が高いとがんを見つけにくくなります。 乳腺密度が高いとは、乳腺組織が多く、脂肪組織が少ない状態です。 マンモグラフィでの画像は、レントゲン画像であるため、白黒で乳房の状態が現れます。 乳腺は白く写り、脂肪組織は黒く写ります。そして、がんや石灰化も白く写ります。 つまり、乳がんも密度の高い乳腺もマンモグラフィでの画像が白く映るため、異常を見つけるのが難しくなるのです。 その結果、乳がんが早期に発見されず、進行してしまう恐れがあります。 基本的に、20歳代や30歳代の若い女性や授乳中の人などは乳腺の密度が高くなります。また、日本人女性は50歳代を過ぎても乳腺密度が高い「高濃度乳腺」の人が多いです。 乳腺密度が高い、と言われたことがある人はマンモグラフィを避けることも考えましょう。

5-2.放射線被ばくをする

マンモグラフィは乳がんを早期発見できる検査ですが、放射線を使うため、被ばくのリスクがあります。 検査中に乳房を圧迫し、X線を使って乳房の状態を映します。そのため、被ばくのリスクがあるのです。 被ばく量はごく少ないですが、日常生活の中で浴びる放射線量の数倍にあたります。被ばくをするため、妊娠中や授乳中の女性は検査を受けられないことがほとんどです。 マンモグラフィの被ばくはごくわずかであるため、影響がないとも言われますが、必ずしも安全というわけではありません。何度も受けていると放射線による影響を受ける可能性があることを知っておきましょう。 安全に乳がんを早期発見するために、マンモグラフィを避けることも選択肢のひとつです。

5-3.乳房内インプラントを傷つける可能性がある

マンモグラフィでは、豊胸手術で挿入されたインプラントが傷つく可能性があります。マンモグラフィでは、乳房を挟み圧迫して画像を撮影します。乳房を挟んだときの圧力によってインプラントを傷つけてしまいます。 インプラントが破損してしまうと、再手術が必要になる場合があります。そのため、豊胸手術を受けた人は、マンモグラフィを受ける前に検査技師や医師に相談し、インプラントがあることを伝えましょう。 インプラントが破損することもあるため、乳房内にインプラントがあると検査を受けられないことが多いです。検査を受けられたとしても圧迫が不十分で、高精度の検査をできないこともあります。

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6.乳がんの早期発見が大切なワケは?

乳がんは早期発見が重要といわれる検査です。もちろんすべてのがんは早期発見が重要です。その中でも、乳がんは早期に発見し治療を始めることで、以下のような利点があります。 5年生存率が高い 転移を防げる 治療の選択肢を広げられる 経済的負担を抑えられる それぞれについて詳しく紹介します。 自分自身の健康を守るために、乳がんの早期発見の重要性を理解しましょう。

6-1.5年生存率が高い

乳がんの早期発見は、5年生存率を大きく向上させます。 5年生存率とは、がんが診断された後に、患者さんが5年間生存する割合を示す指標です。例えば、乳がんで5年生存率が70%とされている場合、乳がんと診断された患者さんの70%が5年後も生存しています。 乳がんは女性の9人に1人が乳がんと診断されているといわれるほど身近ながんですが、5年生存率が高いがんです。およそ90%以上の人が乳がんと診断された5年後も生存しています。膵臓がんの場合、5年生存率が10%以下であるため、乳がんの5年生存率が高いことが明らかでしょう。 乳がんは早期に発見でき治療を始められると、5年後も生存している可能性が高いのです。

6-2.転移を防げる

乳がんは早期に発見することで、転移を防げます。乳がんはリンパ節を通って、わきの下に転移することが多いです。その他にも、骨や脳、肝臓、腎臓など全身に転移します。 乳がんは早く見つかると、まだ周囲の組織や他の臓器に広がっていないため、手術や放射線治療などの治療方法が効果的に行えます。一方、がんが進行して転移すると、治療は難しくなり、体への影響も大きくなります。命を落とす可能性も高くなるのです。 転移によって命を落とすことがないよう、早い段階で乳がんを発見し、治療を開始できるようにすることが大切です。増殖が速い乳がんでは短期間で転移する可能性もあるため、定期的に検査を受け、乳がんを早期発見できるようにしましょう。

6-3治療の選択肢を広げられる

乳がんを早期に発見することで、治療の選択肢を広げられます。 乳がんは早期の段階であれば、治療が比較的簡単で効果も高い場合が多いのです。例えば、手術をする場合、乳房の一部だけを切除する手術である「乳房温存手術」が可能となることが多く、乳房全体を切除する「乳房切除術」をしなくてよい場合があります。 さらに、放射線治療を行いやすくなり、完治できる可能性が高まります。また、化学療法を受ける場合でも、短期間ですむことが少なくありません。 自分の生活の質を守りながら、治療を受けることができるのです。乳がんと診断されても治療による体力的・精神的な負担を少なくてすむよう、がんを早期に発見できるようにしましょう。

6-4.経済的負担を抑えられる

乳がんを早期に発見することで、治療にかかる費用を大幅に抑えることが可能です。 早期段階で乳がんを見つけられれば、治療方法も比較的簡単で、入院期間も短くなります。一方、進行した乳がんは治療が難しくなり、手術や放射線療法、化学療法など、さまざまな高額な治療が必要になります。 また、治療が長引くことで仕事を休む必要が出たり、通院のために交通費や治療費も必要となります。 つまり、乳がんが進行していると経済的な負担が大きくなるのです。 万が一、乳がんと診断されても経済的な負担を抑えるためにも、早期に発見することが必要です。

7.マンモグラフィができない人はどうする?

マンモグラフィで乳房を挟めない人や、豊胸手術後、妊娠中などの理由でマンモグラフィができない人はいます。しかし、乳がんは誰にでもかかる可能性があるため、定期的に乳がん検診を受けるべきです。 マンモグラフィを受けられない、避けるべき人でも乳がんを発見できる検査があります。 ここでは、マンモグラフィを受けられない人の対処法について紹介します。

7-1.乳房超音波エコーを受ける

マンモグラフィ以外にも、乳がんを発見する検査のひとつに、乳房超音波エコー検査があります。超音波エコーとは、超音波を利用して乳房の内部を画像化する検査方法です。 放射線の影響がなく、安心して受けられます。また、乳腺の密度に影響を受けないため、とくに若い女性や乳腺が密な人に対して、超音波エコーが選択されます。 ただし、石灰化を見つけることは難しい検査です。また、豊胸手術後に乳房にインプラントが挿入されていると、検査精度が落ちる可能性もあります。

7-2.MRI検査を受ける

マンモグラフィは乳がん検査の代表的な方法ですが、すべての人が受けられるわけではありません。とくに、乳腺が密な人や、過去に乳房に手術を受けた人には、マンモグラフィの画像が見えにくいです。 マンモグラフィ以外で、乳がんを早期に発見できる検査としてMRI検査があります。MRIは、乳房の内部を詳しく映し出すことができ、乳腺の密度に関係なく正確に診断されます。さらに、放射線を使わないため、身体に優しい検査方法と言えます。マンモグラフィが受けられない方は、ぜひMRI検査も検討してください。 次章で、最近注目されている「無痛MRI乳がん検診」について紹介します。痛みがなく、胸を挟む必要がない検査です。参考にしてみてください。

7-3.セルフチェックを定期的にする

マンモグラフィを受けられない人は、自宅でのセルフチェックが非常に重要です。セルフチェックを定期的に行うことで、自分の胸の状態を把握できます。 具体的には、月に一度、入浴中や寝る前に胸を触ってみて、しこりや変化がないかを確認します。 胸に痛みがあったり、形や大きさが変わったりした場合は、早めに医療機関に相談しましょう。自分の乳房の状態をよく知ることで、早期発見につながります。セルフチェックは簡単にできるので、ぜひ習慣にしてみてください。

8.マンモグラフィで挟めない人でも早期発見できる「無痛MRI乳がん検診」

マンモグラフィで乳房を挟めなくても、乳がん検診を諦める必要はありません。 乳房を挟まなくても、高精度で乳がんを発見できる検査があります。それが「無痛MRI乳がん検診」です。 名前のとおり、痛みを感じることなく乳がん検査を受けられます。

無痛乳がん検診②

8-1.無痛MRI乳がん検診の流れ

無痛MRI乳がん検診は、MRIを使って乳がんを検査する方法です。専用のドーム型の機械の中でうつ伏せになるだけで、簡単に乳房の検査ができます。 マンモグラフィや超音波エコー検査は、乳房を露出させるため、恥ずかしさや不快感をもつ人が多いです。 しかし、MRI検査は磁気を使用して乳房の状態を検査する方法であるため、胸を露出せずに検査着やTシャツを着たまま受けられます。 さらに、検査技師が乳房を触ることもなく、入室や退室のときにしか介助に入りません。そのため、プライバシーが守られており、安心して検査を受けられます。

8-2.胸を挟まずに痛みのない検査

無痛MRIによる乳がん検診は、乳房型にくり抜かれたベッドにうつ伏せになって行います。マンモグラフィーのように乳房を挟むことがありません。そのため、痛みが全くないことが特徴です。 乳房が入る型に胸を合わせるため、乳房が自然な形で撮影できます。また、胸の大きさも全く関係ありません。 マンモグラフィや超音波エコーのように機械で胸に圧迫を加えないため、痛みも全く感じずに検査できます。 生理日で胸が張っている人も痛みなく検査できるため、自分の都合の良い日に検査しやすいです。検査の痛みで辛い思いをしなくてよいため、定期的に受診しやすいでしょう。

8-3.被ばくの心配をしなくてよい

被ばくの心配がないことも、無痛MRI乳がん検診の特徴です。 マンモグラフィは放射線を使う検査なので、わずかに被ばくがあります。影響がないとも言われてますが、放射線による影響が全くないわけではありません。 放射線がからだに溜まると、さまざまながんを引き起こす可能性があります。せっかく乳がん検診を受けていても、がん発症のリスクが上がってしまうと心配になるでしょう。 一方、MRIは磁気による検査であるため、放射線を使いません。そのため、被ばくを気にせず、何度でも安心して検査を受けられます。

8-4.乳がんの発見率が高い

乳がんを見つけやすいことも無痛MRI乳がん検診のひとつです。 無痛MRI乳がん検診は乳がん発見率は、1000人あたり14.7人とされています。一般的なマンモグラフィに比べて5倍以上高い結果です。 マンモグラフィでは、乳腺と同様にがんが白く映るため、乳腺密度が高い人はがんを見つけるのが難しくなります。 一方、無痛MRI乳がん検診では、がんが黒く映るため、乳腺の密度に左右されません。マンモグラフィでは識別が難しいがんを発見しやすくなります。そのため、マンモグラフィに比べ、乳がんの発見率が高くなるのです。

8-5.日本人に多い「高濃度乳房」でも検査できる

無痛MRIによる乳がん検診は、乳腺の量による影響を受けにくいため、乳腺密度が高くてもがんを見つける確率はあまり変わりません。 高濃度乳房が多いと言われる日本人に適した検査と言えるでしょう。 日本人女性の高濃度乳房の割合は、欧米人女性に比べ多いという研究結果があります。50歳代でも乳腺密度が高く、マンモグラフィ検診では全体が白く映るということがあるのです。 無痛MRI乳がん検診では、乳房の密度に左右されないため、高濃度乳房でも乳がんをしっかり発見できます。多くの日本人女性が安心して検査を受けられるでしょう。

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8-6.乳房の手術をしていても安心

マンモグラフィや超音波エコーと異なり、乳房手術や豊胸手術をしていても無痛MRI乳がん検診は受けられます。 乳がん手術では、がんを含めた乳房を切除し、その後に胸の形を整えるためにインプラントを挿入します。豊胸手術でも、乳房にインプラントを入れます。 インプラントは圧力を受けると壊れたり、破れたりする恐れがあります。また、インプラントが傷つけられることで、周りの組織が炎症を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。 そのため、乳房の手術後は乳房を圧迫するマンモグラフィーを受けることができません。 超音波エコー検査は、インプラントがあっても乳房を強く圧迫することがないため、受けられます。ただし、インプラントの後ろ側の観察が難しくなるため、検査を受けられない、検査精度が落ちるということもあります。 無痛MRI乳がん検診では、インプラントを押し付けたりすることなく、死角もできません。そのため、乳房手術後の人でも安全に高精度な乳がん検診を受けられます。

9.まとめ

マンモグラフィは乳房を板で挟みレントゲン撮影する検査です。そのため、乳房の痛みやインプラントの挿入などにより、乳房を挟めず検査できない人もいます。 乳がんは早期発見が重要となるがんであるため、定期的に検診を受けるべきがんです。そのため、マンモグラフィで乳房を挟めず、検査を受けられない人でも乳がん検診を定期的に受けるべきです。 マンモグラフィ以外にも、乳がんを早期発見できる検査があります。 そのひとつに超音波エコーがあります。超音波エコーではマンモグラフィと異なり、被ばくのリスクを受けず、高密度の乳腺の人でも乳がんを検査できます。ただし、石灰化は見つけにくいです。 そして、もうひとつの乳がん検診は「無痛MRI乳がん検診」です。痛みを伴うことのない検査で、被ばくの心配もありません。乳房にインプラントが入っている人や乳腺密度が高い人でも、高精度で乳がんを見つけられます。 マンモグラフィで胸を挟めなくても乳がん検診を諦めず、無痛MRI乳がん検診やMRIなどを定期的に検診を受けていきましょう。

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